第3期プロジェクトクラス公演 2017年7月14日~17日

「見よ、飛行機の高く飛べるを」



観劇感想まとめ


 

~2017年7月のブログより抜粋~

 

盛況のうちに無事、千秋楽を終えることができました。暖かいお客様方のおかげで、俳優もスタッフも公演を通してドンドン成長することができました。

 

彼らの成長が微笑ましく、誇らしく、羨ましくもありました。そして、今、少し寂しいです…

 

ありがたいことに嬉しい感想を直接口頭にて、アンケートで、メールで、ツイッターでと多方面から頂いております。一部をまとめましたのでよろしければご覧いただければと思います。

 

今後も皆様に心から喜んでいただける作品創りのため精進してまいります!今後とも引き続き熱い応援よろしくお願いいたします!

 

【清らかな舞台でした】大阪・男性

 

言論統制の時代に、自由を求めて羽ばたこうともがく女学生が主人公でした。平和な現代に生きる僕たちには感じ得ない感情を見事に表現されていました。役者さんの豊かな想像力と、役者さんの力を引き出す演出家の力量。土台となる実効的な演劇理論が合わさって、凄く魅力的で、清らかな舞台でした。またいきます!皆さんお疲れ様でした。

 

【涙が地下鉄に乗っても止まらない…】広島県 女性

 

本日は、すばらしい公演をありがとうございました。

 

感動のためこころがいっぱいで、

地下鉄に乗っても、

なお涙を流していました。

ハンカチを沢山持ってゆけばよかったです。

 

☆よかった点

 

役者ひとりひとりがその役になっていて、

どの役もいとおしく思います。

それぞれの役者が、その役を生きていると、

誰もがそのときどきの主役になるのだと

改めて思いました。

 

とくにテーマ設定が、

現代に通じ、現状を問い直す内容だったので、

強く共感しました。

 

これほど完成度の高い演劇を学べるクラスを

うらやましく思いました。

 

【頭から離れません】女性


昨日の芝居の内容がずっと頭から離れません
何故か凄く話の中に惹き込まれて自分もその中にいるような感覚になりました
とても楽しめました
ありがとうございました

 

【凄く真摯で美しい】大阪・男性

 

お疲れ様でした。この昭和初期から戦争に向かう時代。少し調べた経験があります。特高の恨みを買って惨殺された小林多喜二。教育界も綴り方教室が弾圧されました。今の時代、共謀罪に反対して、国会前で叫んでも命の危険に晒される懸念はない。

 

役者さん、若い方が多く、命を懸けて自由を求める何て、実感はないでしょう。五十歳の私にさえありません。

 

でも、生き生きと演じられていましたね。

 

私も役者をやってますから、役者目線で皆さんの演技を見ていました。凄く真摯に演じられていました。

 

想像力を最大限に活かして、当時の時代を生きる姿勢が、強く伝わってきました。

 

泣き笑いながら稲荷を食うシーン、良かったですね。

 

大学の時、アンネの日記をやりましたが、あまりにも日常との繋がりごなく、どうプロダクションを引っ張っていくか、かなり、悩みました。悩みまくって、たどり着いた結論が、天国の彼らに恥ずかしくない芝居をしよう(笑)等身大でした。

 

今日の皆さんは、もっと科学的なアプローチをされているのでしょう。非常に興味が湧きます。いやー、皆さん、美しかったですよー

 

Twitterにて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一日以上経った今も、全ての登場人物の「生」が織りなすドラマの感動を噛みしめています。】 兵庫県 劇団主宰者 

 

☆本日の公演の良かった点はどのようなところですか?

・最初から最後まで、全ての登場人物が劇世界の中で、生身の人間として存在していると感じられたこと。どの科白も、その人物の心と肉体から発せられたものだと信じることができ、台詞を発しない人物も、確かに今、その場に必然性を持って存在しているのだと自然に感じ取ることができました。観客である自分は、終始、まるで透明人間となって寄宿舎の一角から人々の姿を見守っているような感覚でした。また、一人ひとりの登場人物の人柄や劇世界における存在意義が伝わってきました。

・役者さん達の集中力の高さ。制約の多い舞台空間の中にありながら、演じる一人ひとりによって舞台上に紡ぎ出されていく物語の「糸」が途切れたり、そのリズムが崩れることは皆無だったように思います。何かに純粋に集中している人の姿は、それ自体で美しい。劇世界の展開を満喫しながら、同時進行的に、役に真摯に向き合う役者さんたちへの共感や感動を覚える瞬間が何度もありました。

・シンプルで「深み」を感じさせる舞台装置。場面によって、高くそびえる「柱」が、女学生たちを囲む「柵」のようにも見えるし、彼女たちの中に芽生えていく無意識の上昇志向が天に向かって伸びていく様を表しているようにも見えました。また、純白の柱と舞台は、乙女たちの無垢な心や、何色にも変わりうる若者の可能性を象徴しているように感じられ、照明の変化に応じて様々なイメージを表出していたと思います。そして、ラスト。舞台は、心の内燃機関を始動させ新しい世界の空へと飛翔する杉坂初江が見下ろす真っ白な雲となって、登場人物一人ひとりの諦念や悲しみ、決意等々を爽やかな感動へと昇華させてくれました。

・効果音と音楽
象徴的な舞台装置の向こうから聞こえてくるリアルな効果音は役者さんたちの演技と相まって、観客の想像力を十分に喚起してくれたと思います。また、効果「音」としての役割を持つ「軍艦マーチ」を除く全ての音楽は「現代」のものでありながら、明治時代を生きる人たちが織りなす世界と自然に調和し、登場人物の心情や置かれている立場等を観客に伝える橋渡しとなっていると感じました。

・言い出したらキリがないほどに「良かった」と思えることがあったこと。


☆今後の成長のために私どもの一番の課題はなんだと思いますか?
・何でしょう?客席から観ている限り「これ」と具体的に思い当たることはありません。皆さんご自身が「自分の課題はこれだ」と感じておられることに取り組んでいかれれば、次の舞台でまた、新しい感動に出会わせていただけるものと思います。

☆その他ご意見・ご感想・ご要望など自由にお願いします。

・ある時代の「女性」の姿を通して、究極的には男女の性差に関係なく、新しい時代を切り開いていく「人間」の物語であると感じました。「孤高」を生きる覚悟をした人間が、それでも他者との絆を信じる力を得たとき世界を変えていくことができる…。一日以上経った今も、頭の中でユーミンの音楽が流れ、全ての登場人物の「生」が織りなすドラマの感動を噛みしめています。

 

 

その後、この劇団主宰者様からメールにて登場人物一人一人についても感想を頂きました↓

 

「見よ、飛行機の高く飛べるを」の感想文です。キャラクターを思い出しながら思いつくままにダラダラと書かせてもらいました。今日のは「女学生編」です(笑)。先生&男性キャラクターについては、また改めて書かせてもらいますね。

舞台の様子と、ある人物を思い出すと自然にその隣にもう一人のキャラクターがいる…という人物と、そうでない独立した人として頭に残っている人物がいました。感想文を書こうと思って考え始めたときに気づいたことです。面白い発見でした。

★★★★★★★★★★

光島延ぶと杉坂初江
優等生で明るくユーモアがあって教師からも同級生からも非の打ち所のない延ぶ。そんな彼女を作っているのは、きっと育ちの良さと天賦の才であって、彼女自身が苦難や努力の末に勝ち得たものではない。だから、彼女のような能力や人望(他者からの信頼)を獲得するために日々向上心と精進を絶やさない杉坂初江にとって、延ぶは憧れの対象であり、初江はまた延ぶにとって、とても魅力的な存在に思えただろう。が、同時に、苦労を知らない延ぶは、何気ない瞬間に、初江を最も傷つける存在ともなりえる。延ぶと新庄の会話がいつの間にか「士族同士の会話」になっていく時の初江。ストライキを実行中、「光島さんに」とマツとちかが差し入れを持ってきたとき、黙々と原稿に向き合う初江。お互いに一番理解し合える存在でありながら、出自に目をやれば、埋めようのない溝、越えようのない壁が二人の間にある。その「そのやりきれなさ」がはっきりと舞台上に創出されたことによって、ラストシーンは深く爽やかに、そして胸に染み入るものになっていた。その「やりきれなさ」を乗り越えた初江の曇りのない心が舞台を埋め尽くしていくように感じられた。

大槻マツと山森ちか
この二人をダブルヒロインにしたスピンオフ作品が観たいと思った。「ふとん」の一節を聞き終えた後にマツが発した「自分まで穢れてしまったような気持ちがした」という言葉はとても説得力があり、純真で正直な彼女の人柄が伝わってきた。だからこそ、ストライキを土壇場で抜けてしまう彼女を責める気持ちにはならずむしろそう選択せざるを得なかった彼女の辛さがストレートに客席まで伝わってきた。教壇に立っても理性と感性のバランスを保ちながら子供たちに接する素敵な教師になっただろう。マツは、教師を目指す女生徒に共通する「優しさ」を象徴する役どころであるように感じたが、その「優しさ」は、実にさりげなく醸し出され、時に危なっかしい小暮婦美や延&初江を温かく包み込んでいるように感じられた。ちかは、周囲にいる人を決して不愉快な気持ちにさせない素直さと愛嬌がある。おっちょこちょいだけれども、チカは、そんな自分自身を心のどこかで冷静に観ている人なのではないかとも思った。教師になっても、賑やかに盛り上がっている教室の中で、一人だけ蚊帳の外にいる子供に気づいてさりげなく支えてくれる。そんな大人に成長していたであろう。演技という点では「笑わせて泣かせる」という、一番「美味しい」役どころを、作品世界を支える大きな柱の一つとして、本当に自然に「生き」きっていたと思う。

小暮婦美
個人的には一番共感を覚える人物だった。もしかしたら女学生の中で唯一、最初からアイデンティティを持っている人だったかも知れない。あるいはそのアイデンティティは発芽直前の種子のような状態にあって、板谷順吉との出会いによって一気に発芽〜成長〜開花していった、とも言える。接吻されたことはもちろんだが、順吉から彼の母の名前を知らなかったことを指摘された直後に、彼女は階段を駆け上るように人間的にも成長を遂げたのではないだろうか。だから「板谷順吉」と、男の名前を繰り返す彼女の夢見心地のような、恍惚とした表情は単に性的にませた少女のものではなかった。異性の存在に触れたことで、乙女の純真と訣別し、一個の人間としても、新しい世界に踏み出したこと象徴していたように思える。シチュエーションは異なるが、恋人の名前を口にすることで彼を五感で感じようとしているかのような婦美の姿には「ロミオとジュリエット」のバルコニーのシーンの冒頭にも通じる官能的な切なさがあった。一方で、寄宿舎を去る直前、椅子の上に立って自分の思いを堂々と言ってのける姿は、啖呵を切る江戸っ子のようなパンチが利いていた。初江とは違う形で「自分が信じる道」を選んだ彼女は間違いなく「もう一人のヒロイン」だった。

石塚セキ
彼女は、舞台の制約上登場することができない、寄宿舎にいる大勢の女学生の代表者のように思われた。彼女が延ぶや初江と同じ空間にいることによって、彼女の向こうにいる、声なき女学生たちの存在を観客は何気なく感じることが可能になり、さらに、談話室での出来事が単なる「密室での特異な出来事」ではなく、全ての生徒と(ひいては全てのこの時代の女性たち)につながっているものなのだと、観客に無意識的に感じさせていた。言葉は少なくても凜としたたたずまいがいつもそこにあることで「密室感」が排除され、女学生たちの言動が前向きで開かれたものであることを物語っていた。彼女たちが「飛行機」となり、Bird Woman発行に向かって若いエネルギーを爆発させるシーンの高揚感に華やかさが添えられたのはセキや操の存在のおかげだろう。

北川操
「真に強い人間」が誕生するプロセスを彼女は体現していたような気がする。婦美が学校を去ることになってからの操の「覚醒」はとてもドラマチックだった。婦美が残していった「何か」を操は自分の感性で受け取り、自分の行動に意味を見出しながら進んでいく「力」を心の中に育て始める。その「覚醒した自分」を、まだ彼女自身の幼さや家庭環境等故に持てあましてしまう状況が続くだろう。余談ながら、光島延ぶは、そんな操に自分を重ね合わせてみることで、自分と初江の間にある越えようのない壁を感じたのかも知れない。操を先輩として見守りながら、延ぶは、その後輩のおかげで、新庄からの求婚を受け入れることになる心の状態を形成していったような気がする。それにしても、運動会に来てくれた家族、親戚との時間を過ごした後の操を観たかった。と、言うのは台本に対する数少ない苦情(笑)の一つだ。人間同士の交流が様々な化学反応を起こし色々なことを変えていく。このことを「婦美から操への“心のリレー”」が示していた。

梅津仰子
石塚セキと同様に、舞台に登場しない女学生を代表して、この時代の一般的なティーンズとして物語の世界観形成に大きな役割を果たしていた。役者さんとして、板谷わととの2役を演じる事への工夫やその表現の豊かさは見事だと感じた。個人的には、さらに「陪審員たち」「子供の時間」の観劇時の記憶が喚起されて、頭の中で複数の作品の場面が交錯する瞬間があったが、これはお気に入りの劇団の公演を観るときには必ず体験することだ。シンプルに「次はどんな役で、どんな顔を見せてくれるのだろう」という期待感が高まった。

★★★★★★★★★★

菅沼くら
男性中心の社会の不条理を充分に認識しながら、自分が置かれた立場の中で前向きに生きようとする姿が印象的だった。菅沼先生は、自身の苦い体験を積み重ねながら身につけていった「社会と折り合いをつける術」を駆使して、陰になり日向になりながら、安達先生を守っているのだと言うことが、物語が始まって間もなく自然に伝わってきた。菅沼先生自身が果たせなかった夢や思いを若い安達先生に託しつつ、自分にはついて行けないほど「進んでいる」後輩への羨望と戸惑いが、ある種の「切なさ」となって菅沼先生の人間的な魅力に深みを加えているように感じた。「ストライキ」を実行した生徒達に心の中で誰より大きなエールを送っていたのは、実はこの人だったんじゃないかな…。

安達貞子
当時の「進歩的な女性」として女生徒達から信頼を得ているその姿は颯爽としてかっこよく…。けれど、自分のせいで菅沼先生に迷惑をかけていることを自覚しているときの彼女を見ていると、実は「ポキッ」と簡単に折れてしまうかも知れない繊細な心を、理念と行動によって補強し、必死で背筋を伸ばし続けているのだなぁ…という印象を受けた。菅沼が安達に思いを委ねたように、安達もまた初江や延ぶ達に様々な思いを託していたのだろう。この挫折と希望の連鎖が生み出すエネルギーは、若い人たちに加速度的に伝播し、Bird Womenを産み出し、ストライキ決行まで実現させてしまう。菅沼&安達の存在なくして初江の覚醒はなかった。若者達はもちろんだけれども、同様に菅沼&安達コンビの存在に強く心ひかれたのは自分が歳をとったせいなんだろうな…。

新庄洋一郎
大石静の作品に出てきそうなタイプの男。個人的な印象だが、女性作家が描く「進んでいる女性」の物語に出てくる男性キャラクターは、一様にある種の傾向があり、新庄の場合、ヒロインの恋人にありがちな「いい人」「それなりに強い人」「けど究極的にはアイデンティティが(男性中心の)世間的常識の中に埋もれている」タイプに分類できると思う。多様で深みのある女性キャラクターに比べると平面的な(とは私の偏見?)男性キャラクターを演じるには役者自身が、キャラクターに肉付けを施さなければならず、それは骨の折れる作業だったと思う。「ここ一番」では頼りにならず、世間的に無難な物差しでしか状況を測れない新庄だが、延ぶへの思いはそれなりに真摯なものだっただろう。ただ結婚後の2人がうまくいくかどうかは疑問。もし円満生活が続くとすれば、それは彼の優しさや包容力のせいではなく、延ぶの潜在的能力がもたらす円滑な家事運営と、進歩的思想という「雑念」を断ち切り、ひたすら「良妻」であることに、彼女の意識と能力を注ぎ続けた結果であろう。そんな、情けなくて優しい新庄に男として共感する!

板谷順吉
男性キャラクターの中では一番、脚本の中で深く掘り下げられた人物だった。ピンと心の中に糸が張り詰めているような雰囲気が常に漂っており、頭も感情も「切れる男」としての存在感がびんびん伝わってきた。その存在感を前提に発せられる強い言葉により、観る者は彼が、少女達の心に熱い「爪痕」を残していったことを信じることができた。その後、彼の中に芽生えた木暮婦美への複雑な恋慕の思いは痛々しいほどに伝わってきたが、悲しいかな、それは彼自身を通してではなかった。この作品は本当に観客の心の琴線に触れる科白(言葉)は全部女性キャラクターが持っていきよる…。彼の無念と優しさを観客は婦美の言葉から想像するしかない、というの残念。男の観客としては寂しさが残った。ただ、片岡さん演じる婦美を通して順吉の色々な人間的魅力が説得力を持って伝わってきたのが救い。それでも、はやり脚本に対して一言申し上げたい。「順吉にもっと科白を!」

難波泰造
この人なりに時代の中で一生懸命生きている人。自分が正しいと信じていることを貫いている人。その意味では新庄よりも男として共感できた。順吉を演じる俳優が二役を演じているという認識から生まれるメタドラマは、作品に触れる感覚をより味わい深いものにしてくれており、舞台の完成度を高めることに貢献していたように思う。また、個人的には鳥の鳴き声が聞こえてくるところは無性にシビれた。彼、彼女たちがいる世界の空気が客席に伝わってくるような感覚。難波の胸中の「やりきれなさ」のようなものが、やかましい鳥の声を通して増幅され、舞台を埋めていく。何気ないシーンだが、この上演のレベルの高さを強く感じさせられる瞬間だった。

中村英助
夏目漱石の「坊ちゃん」に登場する、戯画化された教師達の集団に混ざっていそうな男。少女達が織りなす、真実味あふれる世界の中で彼が放つ異彩は「男のアホさ」を心地よい違和感と共に表出させていた。「進歩的女性」を描く上での「背景」として、青田作治とのコンビはしっかりその役割を果たしていたと思う。ただ、ここまでアホでなくても…という気もした。「背景」なら、これでいい、ということなのかも知れないが、初江や延ぶの志の芽を摘もうとする「悪しき男社会の権化」として、もう少し内面的な深みのあるキャラクターだったらよかったなぁ…。それは演技・演出ではなく脚本への注文。役者さんは「坊ちゃん」がいる学校の先生が目の前に現れたような存在感を存分に発しておられたと思う。

青田作治
ある意味、一番難しい役だったのではないか…。中村先生をしのぐアホだけれども、彼なり何か「信じるもの」があって、あのような態度をとり続けている。それがもう少し伝わってくると作品世界の奥行きが増したと思う。が、同時に、脚本そのものが彼の存在をぞんざいに扱っているような気がした。もしかして「ガミガミうるさいだけのオッサン」として、本当に中身のない薄っぺらい人物にしか見えないキャラクターだったのかもしれない。そんな彼を登場させることで「本当にこういう人物がこの時代にはウジャウジャいたのです」脚本は言いたかったのだろうか…。

脚本の感想
本当に、科白の少ないキャラクターも含めて、女性は細やかに深みを帯びる役として書き込まれている。彼女たちとのコントラストをよりはっきりさせるためか、男性キャラクターは、順吉以外は戯画的、あるいは類型的な人物が揃っている。この圧倒的に不利な劇世界・脚本世界の中で戦い続けた(?)男性役者の皆さんに、男として心から拍手を送りたい。進歩的女性達は美しい!けど、世界は女と男がいて初めて成り立っているのだ!…という心の叫びを、彼らの言動からときどき伝わってくるような気がした。

 

 

スタニスラフスキーシステムで演技の基礎から本格的公演まで
見よ飛行機の高く飛べるを 公演後

【あらすじ】

明治末期、女子師範学校の寄宿舎。うら若き女教員の卵たちは大日本帝国指導の下、「温順貞淑」を強いられ、男性と二人きりで話すことさえ許されない。平塚雷鳥ら「新しい女」に憧れ「女子もまた飛ばねば…」と自由と誇りを勝ち取るために団結するが、夢見た飛翔を目前に彼女らの翼をもぎ取らんとする残酷な現実が…。その時、彼女たちが取った行動とは…。後に、日本の女性参政権運動を主導した市川房江をモデルに描く明治の女たちの熱すぎる青春物語

 

【配役】

光島延ぶ  荒木有紀

杉坂初江  目崎愛子

大槻マツ  細川聖加

山森ちか  伊藤友美

小暮婦美  片岡亜紀

梅津仰子  二宮洋美

石塚セキ  村上香織

北側 操  説田純子

新庄洋一郎 田村優介

安達貞子  高木由起

菅沼くら  鹿田久子

中村英助  長尾淳史

青田作治  上岡幹典

難波泰造  中村真規

板谷わと  二宮洋美

板谷順吉  中村真規

 

【日程】2017年 7月 14日~ 17日

 

7/14(金)

7/15(土)

7/16(日)

7/17(月)

1330

 

 

 

1500

 

 

1830

 

 

 

【劇場】

綺羅星ホール

【地図】

綺羅星ホール 

大阪市西区西本町1丁目15-6 西本町ビルB1F 

(西本町郵便局の地下1階)

地下鉄御堂筋線・中央線・四つ橋線「本町」駅徒歩3分

 

 

【チケット】

前売り 2500円

当日  2800円

 

チケット予約は下記お申込みフォームよりお願いいたします

 

https://www.quartet-online.net/ticket/sutadio

主催 スタジオアクターズアート

協力 ㈲ビックワンウェスト 日本放映プロ株式会社

舞台監督・照明 高畑敬樹

音響 小倉千裕

チラシデザイン 渡邊瑞紀

 

チラシはただいま製作中です!前回の「子供の時間」のチラシでも大好評だったデザイナー渡邊瑞紀さんに今回もお願いしています。今回はなんと出演者一同を似顔絵で再現していただきました!素敵なチラシになりそうです。お楽しみに!

そして、こんな風に仕上がりました!

上の出演者の写真と見比べてみてください誰が誰かわかりますか?

見よ、飛行機の高く飛べるを チラシ 表
見よ、飛行機の高く飛べるを チラシ 完成しました!
見よ、飛行機の高く飛べるを チラシ 裏
見よ、飛行機の高く飛べるを チラシ 完成しました!